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「典獄と934人のメロス」坂本敏夫著

  「私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。走れ!メロス」-。太宰治が名作「走れメロス」を書く17年前の大正12(1923)年、関東大震災の渦中で、まさに人間同士の信頼が試されていた。
 かつてない大地震で横浜刑務所は全壊。さらに猛火が迫り来るなか、典獄(刑務所長)椎名通蔵(みちぞう)の決断により囚人たちは24時間に限って市中に解放された。
 はからずも自由を得た囚人たちは、なぜ再び刑に服すため椎名のもとへ駆け戻ったのか。また、18歳の少女・サキはなぜ無実の囚人である兄の見代わりとなってがれきの荒野を走りぬけ、椎名が待つ横浜刑務所を目指したのか。そして、無法地帯と化した横浜で、市民を心から感動させてた囚人たちの犠牲的な奉仕活動とは―。
 これは、大災害の地で信じ合うことの大切さに目覚め、究極の絆を結んだ人々の奇跡の物語である。

書名:典獄と934人のメロス
著者:坂本敏夫
発行:講談社
定価:1600円+税

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