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「和食は福井にあり」 向笠 千恵子著

  この書名を見て、読者は一見奇妙に思うかもしれない。京都や金沢ならわかる。しかしなぜ、「和食は福井にあり」なのかと。
 本書を読めば、その疑問はたちどころに解消するだろう。和食文化を支えるコンブの加工技術は福井を中心に発達したものだし、日本の米を代表する銘柄コシヒカリも福井県で開発された。
 京都にさまざまなものを運んだ鯖(サバ)街道や、北前船の伝統も今に息づいている。カニ、カレイ、ウニ、そば、伝統野菜などの海や山の幸と郷土料理、やきもの、漆器、包丁など食を支える伝統産業も豊かだ。
 本書では福井県を「日本の縮図のような県」としている。たしかに、海から山まで変化に富む地形はそう呼ぶにふさわしい。だから、福井には日本の食文化も凝縮されているのだ。
 3月の北陸新幹線金沢延伸で利便性が高まる福井。本書を片手に、その味にぜひ舌鼓を打ちに行きたいところだ。

書名:和食は福井にあり
著者:向笠 千恵子
発行:平凡社新書
定価:800円+税

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