本を知る。本で知る。

「信玄の首」 矢野 隆著

  武田信玄が三河侵攻のさなかに病没したことは、有名な史実だ。だが、もしもそれが何者かによって仕組まれたことだったとするなら―。
 著者は戦場での人間ドラマに光をあてる時代小説の気鋭。本作では、信玄の死の謎に新風を吹き込む。
 冒頭は、徳川家康が武田信玄に大敗を喫した三方ヶ原の戦い。主人公の服部半蔵はそれまで武士として徳川に仕えていたが、この戦をきっかけに伊賀忍衆服部家の当主となり、信玄暗殺の密命を引き受ける。
 半蔵率いる伊賀衆と、それを阻む甲賀衆との壮絶なアクションに、手に汗握るうち、度重なるライバルたちの“偶然”の死に導かれた徳川家康の異様な生が浮かび上がる。
 三方ヶ原という“どん底”を生きながらえ、のちに天下を制する男の影として、その暗い野望を背負い生きたひとりの忍の物語だ。

書名:信玄の首
著者:矢野 隆
発行:角川春樹事務所
定価:1500円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

記事一覧 公式サイト

夕刊フジの書評からの一覧

一覧をみる

書籍アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

漫画アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?