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「数学×思考=ざっくりと」 竹内 薫 著

  頭がクラクラするような「理系」の問題を初心者にもわかりやすく解説してくれるセンセイとしてテレビでも大活躍の著者。本書では、今をトキめくグーグルなどの入試試験にも使われるという「フェルミ推定」の解説がとても面白かった。
 イタリアのノーベル物理学賞受賞者、エンリコ・フェルミに由来するこの問題。実際に調査するのが困難な課題を、いくつかの手がかりを元に論理的に推定しようというものだ。例えば「米シカゴにピアノの調律師は何人いるか?」と言う課題について、シカゴの総人口やピアノの普及率、調律師の業務の限界などの手がかりから、「答え」に限りなく近い数値を割り出してゆく。
 なるほどな、ってガチガチの文系人間にも説得力をもって伝わってくる。高校の物理のセンセイも、こうやって丁寧に教えてくれたら理系コンプレックスにならなかったのに。

書名:数学×思考=ざっくりと
著者:竹内 薫
発行:丸善出版
定価:1300円 +税

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