「資格を取ると貧乏になります」　佐藤留美著

 　ひと昔前、弁護士や公認会計士、税理士といえば、「センセイ」とあがめ奉られる存在だった。ところがいまや事情は様変わり。借金を重ねてロースクールで勉強し、かつては給費制だった司法修習も自腹で乗り切った果てに弁護士になっても、就職ができずにケータイ１つで即開業せざるを得ない「ケー弁」が続出しているという。
　実は、弁護士や公認会計士は、この10年ほどで人数が２倍に増加。しかし、企業や社会の実態はそれほど変わらず、大量の資格保有者が職にあぶれてしまったのだ。
　本書が扱う「資格」は、AKBがユーキャンで宣伝しているようなそれではなく、弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士などの「高級な国家資格」。「資格を取って、いつかはオレも独立を」などと甘い夢を見ているのだとしたら、本書を読んでよくよく考え直してみることをおすすめする。