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「缶詰に愛をこめて」 小泉武夫著

 発酵学の泰斗の著者は、大いなる缶詰愛好家でもあった。生家の造り酒屋の店先には缶詰も並んでおり、幼い頃から枕元に缶詰を置いて寝るほど、身近な存在だったという。
 缶詰への目覚めは、小学生の時の「イワシのしょうゆ煮」。平べったい楕円(だえん)缶に夢中だった。以来、中学生の時、「サンマのかば焼き」にはまり、「阿武隈の缶太郎」と呼ばれた高校時代に「サンタ印のカレー」で缶詰への愛を確信するに至る。そして、ついに大学生の時、「サバの水煮」「クジラの須の子」缶で悟るのである。著者の60余年にわたる缶詰遍歴とあふれんばかりの愛が、熱くつづられている。
 本書は魚介編、野獣編、野菜・果物編、おやつ編、眩しき缶詰などの章に分けられ、50種以上の缶詰を紹介。セピア色に彩られた缶詰の思い出とともに、大人になってからの楽しみ方として、著者ならではの料理法も披露される。食いしん坊の面目躍如のおいしい1冊。

書名:缶詰に愛をこめて
著者:小泉武夫
発行:朝日新書
定価:798円

夕刊フジ

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