「どんな病気でも後悔しない死に方」　　大津秀一著

 　緩和医療を専門とする現役医師として、100人を超える患者の死を見届けてきたという著者。彼だからこそ書ける、患者たちの最期を例にあげながら、「死ぬときに後悔しないためにはどうすればいいのか」「平穏死を迎えるにはどうすればいいのか」を明らかにしていく。
　今や日本人の２人に１人がかかる「がん」についても詳しい。「がんは本来、やりたいことをやって逝ける病気」「がんは放置しても楽にはならない」「がんに免疫治療は効かない」など、目からうろこが落ちるような最新医療の知識も得ることができる。
　著者は「ほとんどの病気で治療が有効ではない段階がくる。そこからは苦しく辛いだけの延命治療は控えて自分のため家族のための最期の時間を大切にすべき」という。自分の「死」、家族の「死」について改めて考えさせられる１冊だ。