読むべき本、見逃していない?

「卵かけごはん」を焼いたら21万いいね!のうまさ

県民バズごはん

 日本テレビ系の人気テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」(制作・読売テレビ)の冒頭登場する「ケンミンの秘密」は、毎回各地の名物料理を紹介するコーナーだ。「えー、こんなもの食べるの?」とひな壇のタレントたちは驚くが、いざ食べてみると皆「うまーい」と感心するのがお約束である。

 東北各県に縁の深い評者は、東北だったらたいがいの料理や風習を耳にしているのだが、時に「えー」と思う場面も少なくない。たとえば納豆に砂糖を入れるのは、横手市など秋田県南地域に限定される。県庁のある秋田市ではそういう食べ方はしない。だから番組でもクレームに慣れたのか、最近では「○○市周辺で食べられています」などかなりエリアを狭くするなどテロップに気をつかうようになった。それくらい各県を代表する料理となると、あちこちから注文がつく。あと想定外の長寿番組になり、たいがいのネタはやりつくし、どんどんマイナーな方向に走らざるを得ないという事情もあるのだろう。

 本書『県民バズごはん』(飛鳥新社)は、料理研究家リュウジさんの4冊目の本。全国47都道府県の県民ごはんを自宅で手軽に作ることができるレシピ集だ。SNSでバズったメニューが中心だから、「そんなもん聞いたことがない」と「ケンミン」からクレームがくる心配はあまりないだろう。

 北の方から見ていくと、北海道 ザンタレ(鶏の唐揚げザンギを甘辛ダレで進化させた釧路発祥の料理)、三平汁(塩鮭と野菜の鍋)、秋田 納豆汁、バター餅など、まあまあ納得の選択だ。宮城はマーボー焼きそば。これは仙台のご当地焼きそばだ。

 東京は深川丼とフライパンもんじゃ、神奈川はサンマーメン(サンマは入っていない)、愛知はあんかけスパゲッティと手羽先唐揚げと無難なチョイス。大阪は高槻名物、うどん餃子と肉吸い(肉うどんにうどんが入っていない)、福岡は博多の屋台風焼きラーメンと小倉焼きうどん、沖縄のちゃんぽんは麺ではなくご飯に野菜をのせる丼スタイル。

 とても全部を紹介することはできないので、リュウジさんが「いままでの自分の料理観がひっくり返される思いがした」という石川の「TKYG(卵かけごはん焼き)」のレシピを簡単に書くとこうなる。

ご飯(180グラム)に卵1個、白だし小さじ2杯を入れてかき混ぜ、卵かけご飯を作る。薄く油を引いたフライパンに入れて丸く成形する。中火で片面1分半、ひっくり返して40秒焼く。皿に取り、海苔、小ネギ、ワサビを適量添え、醤油をかけて完成。

 ツイッターで発表したところ、21万いいね!がついた「コロンブスの卵的発想の料理」だそうだ。もう一つは大阪の「うどん餃子」を挙げている。餃子の皮のかわりに短く切った冷凍うどんを使うという簡単さを評価している。こちらは6万いいね!

 評者も本書を見て、岩手の盛岡じゃじゃ麺を作ってみた。肉みそをうどんにかけるだけだが、うまかった。

 まだまだ全国には知らないおいしい料理がある。たまに本書を参考に作ると、手軽に旅行した気分になること間違いない。  

  • 書名 県民バズごはん
  • 監修・編集・著者名リュウジ 著
  • 出版社名飛鳥新社
  • 出版年月日2018年12月31日
  • 定価本体907円+税
  • 判型・ページ数新書判・127ページ
  • ISBN9784864106603

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