「恋愛も、勉強や仕事といっしょだ。効率よくやるべきものなんだ。最小限の努力で最大限の成果を得る。生産性が大切だってことだよ。恋愛なんて、ただの確率のゲームにすぎないんだから、正しい方法論があるんだ」
「恋に不器用な男女を救う戦略的恋愛小説。」のキャッチコピーがついている藤沢数希さんの本書『ぼくは愛を証明しようと思う。』は、2015年に幻冬舎より単行本として刊行され、漫画化(講談社)、ドラマ化(テレビ朝日)され、今年(2018年)同社より文庫化された。
著者の藤沢数希さんとは、どんな人物なのか。プロフィールによると、物理学Ph.D。海外の研究機関で計算実験の研究、外資系投資銀行でトレーディング業務などに従事した後、作家、投資家として独立。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』『外資系金融の終わり』(以上、ダイヤモンド社)、『「反原発」の不都合な真実』『損する結婚 儲かる離婚』(ともに新潮新書)などがある。経歴を見る限り、本書がどんな恋愛小説なのか想像がつかない。
主人公は、27歳の弁理士・渡辺正樹。クライアントの永沢に出会うまで、「非モテコミット」と「フレンドシップ戦略」を繰り返す、冴えない男だった。結婚を考えていた恋人に捨てられ、他の女に相手されることもなく、「掃きだめのような人生」を送っていた。ところが、永沢から数々の「恋愛テクノロジー」(「男の欲望を実現するための秘密のテクノロジー」)を伝授された渡辺は、みるみるうちに変貌を遂げていく。
週末の街コン→ストナン→クラナンのサーキットで、1日で50人以上の女にアタックする「出会いのトライアスロン」。道を聞くオープナーなどの「会話のルーティーン」。Attraction(女を魅了する)、Comfort-Building(信頼関係を作り上げる)、Seduction(性的誘惑)の3段階のフェーズから成る「セックスへのACSモデル」などなど、「非モテ」から脱するための様々な方法が太字で記されている。
渡辺は永沢に導かれ、危険な香りが漂う、最高にエキサイティングな冒険をしばし満喫する。途中から心配になってくるほど、渡辺は「恋愛工学」を駆使してどこまでも突き進む。恋愛工学のスペシャリストに成り上がる過程で、そして遂に冒険を終える時、彼は何を思うだろうか...。
本書は、ストーリー仕立ての、女性にモテるためのハウツー本と言える。ちょっと過激なところもあるが、恋に不器用であることに悩んでいる人は、何か1つ試してみると、状況が好転するかもしれない。
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