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ごはんとみそ汁だけで満足な食生活に

まんぷくみそ汁

 昨年(2017年)出版された『みそ汁はおかずです』(瀬尾幸子著)は、第5回料理レシピ本大賞in Japan 2018【料理部門】大賞を受賞、また男性に売れたレシピ本として注目を集めた。具だくさんのみそ汁は、ごはんの立派なおかずだという主張が受け入れられたようだ。

 「おかずとしてのみそ汁」というコンセプトを別の著者がさらに展開した新刊が『まんぷくみそ汁』(宝島社)だ。著者の料理家・堤人美さんが今までに食べたことのないボリューム感のあるおいしいレシピ80品を紹介している。

 パート1「まんぷくみそ汁」では、おかずの主役になるみそ汁51品を紹介している。みそ汁の常識にとらわれないものも多い。たとえば「サンラータンみそ汁」。豚バラ薄切り肉、絹ごしとうふ、たけのこ水煮、卵などが材料。豆板醤、酢、みそを加えて煮て、片栗粉でとろみをつける。中華の人気メニューもみそ汁で堪能できる。

 余りがちな調味料も活躍する、と紹介しているのが「キャベツとささ身のゆずこしょう風味」。ゆずこしょうのさわやかな辛さが、みそ汁と驚くほど合うという。

 こんな材料の組み合わせがあったのか、と思うほど、みそ汁は自由自在だ。ベーコンとかぼちゃには、少々のカレー粉がアクセントになる。ベーコンとセロリ、ソーセージとアボカド・トマト、ハムとカリフラワー、コンビーフとクレソン、生ハムとじゃがいも・ブロッコリー、サバ缶と小松菜......。読んでいるうちに、家の冷蔵庫のあまった食材を組み合わせるだけで1週間のメニューが完成しそうだ。

 パート2「シンプルみそ汁」では、さらに簡単なレシピ品が載っている。レタス、きゅうり、じゃがいもなど野菜一点でも少し工夫するとサブのおかずになる。

 堤さんが説明するみそ汁作りのプロセスはこうだ。
1「具材を好きなおおきさにざくざく切って」2「うま味があふれるだし汁でさっと火を通す」3「みそを少なめに溶き、素材の味をぐっと引き出せば」4「食べ応えのある、具だくさんみそ汁が完成」

 だしをとらなくても、みそ250グラムに削り節15グラムを加えて混ぜ合わせる。おおさじ1ずつラップで包み、小分けで保存しておけば、湯を注ぐだけで簡単に即席のみそ汁が作れる。

 本書の考え方が分かれば、材料の組み合わせは無限にある。冷蔵庫の中が片付き、食費は減る。あとはごはんがあれば大丈夫。評者もコンビニの惣菜、弁当とおさらば出来そうだ。  

  • 書名 まんぷくみそ汁
  • 監修・編集・著者名堤人美 著
  • 出版社名宝島社
  • 出版年月日2018年9月29日
  • 定価本体1300円+税
  • 判型・ページ数四六判・127ページ
  • ISBN9784800284990
 

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