「周りから大切にされる人、そうでない人」の分かれ目は「見た目」にあるという。国際イメージコンサルタントとして活躍する吉村ひかるさんは、仕事を通して、その実情をリアルに体験。そして、その「見た目」の9割は、顔以外を包む服装で決まってしまうことが分かり、女性らが幸せをつかむ一助になればと『女は服装が9割』(毎日新聞出版) を著した。
これまで約10万人の顧客と接してきたという著者によれば、自分の個性や人物を、服装で伝えられるかどうかが幸せをつかめるかどうかの分かれ道なのだという。
本書が引用している人間の五感による「第一印象の仕組み」によると、その情報の入手の割合は、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%―と、圧倒的に「見た目」が勝る。さらに別の資料を引いて、第一印象が決まるまでの時間を「2秒」と紹介。第一印象には「初頭効果」と呼ばれる持続効果があり、良ければ良いまま、悪ければ悪いまま、しばらくの間、その印象がキープされるのだという。
本書を似たようなタイトルの「人は見た目が9割」(新潮社)という本が2005年に出版されて当時のベストセラーになったが、同書でも人は相手を「見た目」で瞬時に判断すると述べ、非言語コミュケーションの重要性を説いていた。本書は、コミュケーション手段をまず服装の特化したものといえる。
われわれは日々の仕事や生活で自ら「スケジュール管理」や「健康管理」を行っているか、あるいは、それほど具体的にきっちりやっていないまでも心がけている。それと同じように「印象管理」に気を配ることを著者は訴える。それにはまず「どうなりたいのか、目指す姿(ゴール)を決め」そして「目指す姿に近づくような服を身につける」ことだという。
イメージコンサルタントの仕事を通して感じてきたことは「自分が周りからどんな印象を持たれているかが気になる」という人が非常に多いこと。著者は「どう見られているか」というネガティブな感情から「どう見せたいか」という主体的でポジティブな感情へのスイッチを促す。「私自身、他人からの評価を気にして自分らしくふるまえないというストレスから解放され、自分の人生を主体的に生きている、とリセットされる感覚を覚えました」
「どう見せるか」を考えるうえで大事なのは「カラー」。まずは自身の「パーソナルカラー」の選定を勧める。それは「髪、肌、瞳、唇、頬の色に調和したカラー」のことで、好きならなんでもいいというものではないという。自己分析によりパーソナルカラーを知り、それを身に着けることで、より美しく、魅力をアピールできのだという。パーソナルカラーのなかには個人別に「勝ち色」があり、とくに勝負どころで効果が発揮される。
「見た目」を作るのは、もちろんカラーばかりでなく、大事なのは配色を考えたうえでのトータルコーディネート。本書ではトップスやボトムスなどのバランスを考えたパターンをリストしている。
「印象管理」は「服装が9割」ですべてではない。本書では「ふるまい」などの重要性にも触れている。機会に応じた「立ち位置」、買い物や食事の際のお金やカードの出し方、洋服試着後の戻し方――、さまざまなあなたの何気ないふるまいが、あなたの印象を決めているという。
「人は見かけによらぬ」ということは、現代ではあり得ないらしい。
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