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火星人に人間をどう説明しますか?

オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題

 今年の受験の季節は終わったが、来春に向けて日夜頑張る受験生が疲れた頭を休めるのに絶好の本を見つけた。

 『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一考えさせられる入試問題』(河出文庫)。原題は「あなたは自分を利口だと思いますか?(Do You Think You're Clever?)」。

実際に口頭試問で出た問題

 著者のファーンドン氏もケンブリッジ大の卒業生で著述家。科学に造詣の深い人で、時事問題から科学のさまざまな問題まで、あらゆる分野に何百冊もの著作があるという。

 前書きで本書の意図が説明される。

 
 「この本は解答付き問題集である。もちろん、すべて、オックスブリッジ(オックスフォード大学とケンブリッジ大学)の入試の面接官が出した悪名高き難問奇問から選りすぐった。質問の主旨は、大学側が本当に賢い学生を、つまり当意即妙の応対ができる学生を見つけることにある。両大学の問題がほかとちがって特別なのは、すばらしく思考力を刺激する点である」。

 収録されているのは全部で60問。すべてオックスブリッジの口頭試験の問題で、実際に面接官が受験生に尋ねた質問だ。

 「あなたは自分を利口だと思いますか?」という原題も実際にケンブリッジ大法学部で出た問題だ。ちなみに掲載されている解答はすべて著者による独自の解答案だ。

 「あなたは利口?」の質問に、著者は「実に意地悪な質問である! 謙虚に『いいえ』と答えたら、その言葉通りに取られて、オックスブリッジへの入学は断られるかもしれない。何といってもここは利口な人間だけが入学を許可される大学なのだから(と、世間ではそう言われている)。だからといって、『はい』と答えたら自分は正真正銘の馬鹿であると言っているようなものである」と突き放す。

質問者側も厳しく試される

 オックスフォード大実験心理学部では「カタツムリに意識はあるでしょうか?」という質問が出た。ケンブリッジ大医学部では「火星人に人間をどう説明しますか?」といういじわるな問題も出されている。AI時代に、重要な質問もある。オックスフォード大法学部では「コンピューターは良心を持つことができるでしょうか?」という問題を出している。

 毎年の出題には何人もの教授が頭を悩ますのだろう。そしてこれはさらに重要なことだが、どの設問にもあらかじめ正解が用意されているわけではないはずだ。何人もの受験者の解答を通じて、本当に評価できる解答ができあがっていくのだろう。その過程を見るのだとしたら、質問者側も厳しく試されることになる。

 だまされたつもりで読んでみると実に面白い。だが、著者の解答はあくまで参考とかん考えたほうがよい。博学博識を駆使しつつも、どれほど真面目に議論しているのかよくわからないところも出てくるからだ。

 単行本は2011年12月に、文庫版は17年11月に出た。さらに今年4月には続編も出ている。60問は互いに独立しているのでどこから読んでもOKだ。読み終わってつくづく感じるのは、面接でこうした難問奇問を出すオックスブリッジはやはり世界の最難関大学ということだ。ペーパーテスト中心の日本の大学入試でよかったな、と思う人も多いことだろう。

BOOKウォッチ編集部 レオナルド)
  • 書名 オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題
  • サブタイトル「あなたは自分を利口だと思いますか?」
  • 監修・編集・著者名ジョン・ファーンドン(著)、小田島恒志/小田島則子(訳)
  • 出版社名河出書房新社
  • 出版年月日2017年11月30日
  • 定価本体820円+税
  • 判型・ページ数文庫・275ページ
  • ISBN9784309464558

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