読むべき本、見逃していない?

「ブラタモリ」が好きな人にお薦めします

地図で楽しむすごい千葉

 神奈川県にはかなわないけど、埼玉県には勝っている、と思っているのが評者のような平均的千葉県民の認識だろう。世界の地質時代の名前に千葉県市原市の地層に由来する「チバニアン」が採用される見通しだと報じられ、千葉は少し盛り上がっている。

 本書『地図で楽しむすごい千葉』(洋泉社)は、地図や写真で千葉の歴史、地理を紹介する本だが、よくあるお国自慢の本とは少し毛色が違う。

 千葉県の海岸はプレート運動の影響で、九十九里浜のような砂浜の海岸もあれば、銚子半島南西側にある屏風ヶ浦のような海食崖、さらに鴨川付近のリアス式海岸と地形もバラエティに富む。こうした地形や自然から、「なぜ千葉県には貝塚や古墳がたくさんあるのか」「家康恩顧の猛将・本多忠勝はなぜ大多喜城に配された?」「すべては江戸を守るため 利根川東遷で千葉は犠牲に?」といった歴史の疑問まで、面白く解説している。

 統計によるベスト、ワーストも公平に紹介している。ワーストでは現役医師数(10万人あたり)が埼玉、茨城に次いで3位、いじめ件数(小学校)が1位で2万2563件、保育所数(人口10万人あたり)は静岡に次いで2位だ。東京に近く、自然が豊かな割には人口増に対応しきれない弱さが見えてくる。

 農業生産で全国4位、工業でも6位とバランスよく発展し、訪日外国人数も東京に次いで2位と観光にも強い。と言ってもこれは東京ディズニーランドという巨大集客施設があるおかげだ。こうしてみると、昔も今も東京(江戸)の影響が大きいことがわかる。

 昨年(2017年)の発売以来、千葉の書店ではずっと平積みになっており、よく売れているようだ。もっとも千葉県以外ではあまり売れないだろうが。

 このシリーズはすでに「北海道」「神奈川」「愛知」の3エリア版も出ている。「愛知」版では「渥美半島の農業日本一は豊川用水が支えた」「名古屋~大阪間をめぐる鉄道バトル」などの項目も。NHKの「ブラタモリ」が好きな人には絶対にお薦めだ。  

  • 書名 地図で楽しむすごい千葉
  • 監修・編集・著者名都道府県研究会 著
  • 出版社名洋泉社
  • 出版年月日2017年8月10日
  • 定価本体1500円+税
  • 判型・ページ数四六判・159ページ
  • ISBN9784800312884

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