「公立小移民」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 昔の「越境入学」とは違う。 越境入学は、住む場所は変えずに子供だけが違う学区へ通うものだが、「公立小移民」は世帯ごと、新しい学区に引っ越すのだ。
小学校の学区と親の年収、マンションの評価には相関関係があり、人気学区ほど資産性が高くなる物件が多いという。そのため引っ越す人も少なくないというのだ。もちろんお受験でも有利になることを親は期待している。
ちなみに親の年収が高い都内のトップ3は、港区立南山小(平均年収1409万円)、千代田区立番町小(同1151万円)、渋谷区立神宮前小(同1067万円)。東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県について、こんなデータと解説が載っている。著者は『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)などの著書をもつ不動産コンサルタント。国勢調査と住宅・土地統計調査をクロスさせれば学区別世帯年収がわかるという。著者の会社が不動産ビッグデータを扱っているから入手可能という仕組みだ。
ちなみに南山小はどんなところにあるかというと、あの六本木ヒルズの裏手の港区元麻布三丁目。児童数は1学年20数人程度と多くはない。番町小は麹町の高級住宅街にあり、昔から東京一の名門小と知られている。
しかし、こうした名門学区の物件は当然高い。一部の金持ちしか引っ越すことはできないのではという疑問が起こる。著者は買い替えによって購入は可能だという考えだ。そのあたりは前著に詳しい。
ところで、評者の学区はどうかと思って見てみると、当該地区のベストテンに入っていなかった。複雑な心境。「わらしべ長者」を夢見る30~40代の家庭には参考になるかもしれない。
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