東野圭吾の『マスカレード・ホテル』シリーズの第3弾。累計265万部のベストセラーとあって、どの書店でも平積みになっている。売れ行きもいいようだ。
連続殺人が起きて、次の犯行現場は一流ホテルという予告が届くのがシリーズの共通点。ホテルウーマンの山岸尚美と警視庁刑事の新田浩介が事件の解決にあたるというのも、お約束だ。山岸はこれまでのフロントクラークからコンシェルジュに昇格した。
年越しのカウントダウン・パーティーに犯人が現れるという予告が警視庁に届き、新田らがホテルに潜入捜査に入る。しかし、パーティーの参加者は仮面をかぶるという趣向なので、怪しげな客が次々とチェックインする。誰が犯人なのか、そして予告の意図は?
一方、コンシェルジュの山岸のもとには、一見無理と思えるような客からのわがままなリクエスト、相談が持ち込まれる。しかし、「無理」という言葉は禁句で、次善の策を提案するのが彼女の務めだ。東京都内のホテルが著者の取材に協力しているとあって、ホテルを利用する客のさまざまな顔が見えてくる。
ホテルは都市の中で、人々が集い、憩う場だ。雑踏ではないが、匿名性がある程度、確保されている場でもある。そうしたホテルを舞台にしているのが、このシリーズの魅力だ。しかも本作は仮面パーティーという設定なので、どんな奇抜ないでたちも許される。犯人はどんなファッションで現れるのか、何に化けているのか、読者は相当疑り深く読んでも著者の術中にはまるだろう。
当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?