ユリ・ゲラー、スプーン曲げ、コックリさん......。1970年代、子どもたちは「超常現象」に狂喜した。テレビがそれを煽った。そして週刊誌が叩いた。それらのブームの陰にいたのが超常現象研究家の中岡俊哉であったことを初めて知った。
戦前、中国大陸に渡った中岡は三度の臨死体験をしたという。引き揚げ後、生活のために中国の奇譚などを書くうちに、いつしかオカルトブームの立役者となり著作は200冊を超えた。だが、お金は「研究」につぎ込み、清貧な暮らしぶりだったそうだ。
本書は中岡の息子である岡本と中岡に生前長時間のインタビューをした「最後の弟子」辻堂による評伝。この本を取り上げた石井妙子氏(ノンフィクション作家)は「本書が超常現象そのものを取り上げたものではなく、かつて一世を風靡し、日本に『オカルトブーム』を定着させた中岡俊哉という人物の内面に迫るものだったから」面白く読んだという。
そしてこう書いている。「彼は帰国後も中国で体験した極限状態から解放されず、生死の狭間を見つめ続けずにはいられなかったのだろうか」
この稿を書いている私は、子供のころにコックリさんを体験した時のぞくぞくした気持ちが今も忘れられない。あれはいったい何だったのだろうか? 本書にはコックリさんのオリジナル文字盤が付いている。
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