NHKのEテレ「オイコノミア」で芸人の又吉直樹を相手に、経済学の観点からさまざまな行動の損得について解説している大阪大学社会経済研究所教授の大竹文雄さんがわかりやすい新書を書いた。大竹さんが研究しているのは行動経済学。「競争」というとネガティブなイメージもあるが、自分の強みを見つけ、社会を活性化させる機会でもあると説く。
「個人も企業も、競争のプレッシャーから自分だけが逃げ切ろうとしていては、社会は衰退するばかりである。弱者への配慮は必要だが、競争を弱めるための一律の規制は、競争のメリットを損なうことになりかねない。規制が競争を促進し継続させるためのものであるかどうか――そのルール作りをするのが政府の役割であり、適切な判断のために有効な情報を提供するのが経済学の役割である」というのが著者の主張だ。
チケットの転売問題、「他店価格対抗します」の本当の意味、姉をもった男性は競争嫌い? など、身近な話題から、経済学の最先端の議論を紹介する。
「人に情けを掛けておくと、巡り巡って結局は自分のためになる」。そういう互恵的な考え方や他人に対する信頼の態度が、経済成長や所得水準にも影響を与えることが最新の研究で明らかになったという。こんなことも経済学の研究の対象なのかと目を開かれる思いがした。
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