江戸時代末期、加賀藩主の三女として生まれた勇(いさ)は、生後半年で加賀大聖寺藩主の次男のもとに嫁ぐことが決まったいた。時代がくだり、明治末期、加賀藩の分家・小松藩の子孫である万里子は、サンフランシスコ万博で華族出身のコンパニオンとなった。さらに、戦後、貴族院議員の孫、花音子は、新宿の劇場の舞台に立ち、スターとなる。
不思議な縁でつながる、三つの時代を生き抜いた女たちを、『トッカン 特別国税徴収官』など「お仕事小説」のホープ、高殿円が描いた。先日、NHKが華族の女性たちの数奇な運命を追った番組を放送したが、栄華を極めた大名家の子孫たちは、明治、大正、昭和の激動の時代をたくましく生き抜いていた。それを「没落」と呼ぶか、「再生」と見るかは、人それぞれだろう。
評者の藤田香織氏は「自由だからこその不自由に喘ぐ、今を生きる私たちが行く道を切り拓くための力を授けてくれる物語だ」と記している。
三代を生き抜いた女性らの大河ロマンとして楽しむことができるだろう。
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