著者自身が「「私にとって最初で最後の実践向け野球書。プロ野球関係者だけでなく、野球を愛し、楽しんでいるすべてのひとに届けたい」と送り出した一冊。評者のスポーツライターで作家の小林信也さんは「野球を真正面から語る内容に野球好きなら引き込まれるだろう」
選手として一流の実績を挙げ、監督としては「稀代の」と形容される指導者ぶりを発揮した。それを支えたのは現役時代から詳細に書きとめ続けたノートという。本書は、そのノートの「完全初公開」版という。
小林さんは「分厚い本の真骨頂は第4章捕手論の中核を成す〈配球論〉だ」という。
野村氏がプロ入りしたころは、捕手という存在はキャッチングで大きな音を出すなど投手を気分よく投げさせる程度の役割しか期待されていなかった。野村氏は打撃を磨くために投手の配球などの研究を重ね、それを捕手のリードにつなげたという。
17年6月25日のソフトバンク-西武戦、西武1点リードの9回2死一塁でクローザー増田は福田に2ボール1ストライクからサヨナラ逆転2ランを喫した。西武・辻監督は試合後、被弾の投球をスライダーとし「何であそこでスライダーなのかな。直球を待っているタイミングで甘いスライダーきたらね...」と話した。
この投球がなぜ「ミス」なのか。その理由をもっと知りたいという野球ファンも多かった。野村氏の「配球論」を読めば分かるかもしれない。そう期待させるだけの内容が、この本にはある。
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