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歌舞伎町案内人・李小牧が波乱の半生を明かし、一大決心の真相を語る。

 本書は「歌舞伎町案内人」として有名になった李小牧(り・こまき)の半生記であり、またこれから政治家をめざすものとしての決意書としての性格も持ち合わせています。少年時代は文革に翻弄され、バレエダンサーとして身を立てることに障害を受けました。それでもバレエを捨てず、深圳でバックダンサーを務めることもありました。生来バイタリティ豊かで機転の利く彼は、ビジネスで次々に成功していきます。中国初のモデルプロダクション会社の設立は、その最たるものです。
そんな彼の来日は、88年。地元でトラブルに巻き込まれ、逃げるように私費留学生として新宿にやって来ました。「歌舞伎町案内人」への第一歩です。夜の世界では当然のこと、やくざやマフィアが巣食っていて、トラブルや困難が彼を待ち受けていました。持ち前の柔軟さと粘り強さで克服すると、彼の存在がメディアでもとり上げられるようになりました。彼を一躍有名にしたのは、初の著書『歌舞伎町案内人』。その後『ニューズウィーク日本版』のリレーコラムも始まり、政治にも目を向け始めました。
 彼の活動は留まるところを知りません。故郷の味、湖南料理を供する《湖南菜館》をオープン。夜な夜な中国同胞たちや、メディア関係者、政治家が集う場となりました。東日本大震災が起きると、東北の現場に駆け付け、その実態を中国版ツイッターである微博(ウエイボー)で逐一報告。そんな数々の活動から、彼は政治に目覚め、日本に帰化して政治家を目指すことになります。当時の民主党代表海江田万里氏との出会いが後押しにもなりました。今年4月新宿区議選に立候補、結果は1018票で落選しましたが、彼は「初めての民主主義」を経験しました。
通読すれば、李小牧の中国同胞への思い、日本への思い、苦悩、そして挑戦、現在の等身大の姿が見えてきます。

書名:元・中国人、日本で政治家をめざす
著者:李小牧
発売日:2015/7/30
定価:本体1600円(税別)

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