東京国立博物館140執念記念の特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」が1月12日(土)から始まる。円空は生涯で十二万体の仏像を彫ることを志し、諸国を行脚しながら仏像を造り続けた。彼の彫る独特の微笑みをたたえた仏像は円空仏と呼ばれ、現在五千体以上が確認されている。近年、発見された『円空歌集』や『大般若経』添絵などの貴重な資料から、謎につつまれた円空の生涯が明らかになってきた。本書は、円空研究第一人者である円空学会理事長の長谷川公茂氏が長年かけて追い続けた円空仏の貴重なカラー写真を多数掲載。北は北海道から西は関西まで二百体超の傑作・円空仏を紹介している。さらに『歓喜する円空』(新潮社)を著した哲学者・梅原猛氏による特別寄稿も収録し、円空研究の決定版となる一冊である。
書名/ビジュアル選書 円空 微笑みの謎
著者/長谷川公茂(はせがわ・まさしげ)
定価/2000円+税