2023年11月17日、アイドル評論家・中森明夫さんの集大成となる『推す力』(集英社)が発売される。
本書は、80年代から40年以上に渡ってアイドルを「推し」ながら論じ続けてきた中森さんが、南沙織から平手友梨奈、あいみょんに至る〈アイドル×ニッポン〉の半世紀を論じたもの。
芸能界のキーパーソン、とっておきのディープな会話、いま初めて明かされる真相──。懐かしさと新鮮な発見に満ちたエピソードの数々は、アイドルファン必見。写真家・篠山紀信さんも推薦する、「アイドル批評」の決定版となる1冊だ。
幼少期にアイドルに魅せられた。時を経て、ライターとしてその魅力を伝える仕事を続けた。気がつけば、アイドルというジャンルの全体を応援する立場に立っている。「推す力」を、ずっと生きてきた。
私はこの力こそが、人々を幸福にして、世界を豊かにする、最大のパワーだと信じている。とはいえ、その力の内実を、理屈で説明しつくすことはできない。そこで自らの生きた「推す力」をたっぷりとつめ込んだこの本を書いたのだ。これは私の人生をかけたアイドル論である。
自分が好きなものを追いかけることが、やがて自分以外のものが棲むこの場所を、この時代を応援することになる。そう、「推す」ことは、世界を肯定することなのだ!!
(「まえがき」より)
【目次】
まえがき――「推す力」を生きて
序章 それは南沙織から始まった
第一章 1970年代のアイドル体験
note 天皇陛下のアイドル論
第二章 山口百恵から松田聖子へ――1980年の女王位継承
第三章 小泉今日子と中森明菜――1982年組の二つの星
note 後藤久美子と宮沢りえ
第四章 〈チャイドル〉ブーム始末記
第五章 さらば、沖縄の光
note 加護亜依は勝新太郎である
第六章 『時をかける少女』の40年
第七章 竹内結子の肖像
note アイドルの未来
第八章 2010年代のアイドル復活
第九章 あいみょんと「下降する時代」
note 平手友梨奈とは何だったのか?
終章 アイドルを「推す」ということ
■中森明夫さんプロフィール
なかもり・あきお/作家・アイドル評論家。三重県生まれ。さまざまなメディアに執筆、出演。「おたく」という語の生みの親。 『アイドルにっぽん』『東京トンガリキッズ』『午前32時の能年玲奈』『寂しさの力』『アイドルになりたい!』『青い秋』『TRY48』など著書多数。小説『アナーキー・イン・ザ・JP』が三島由紀夫賞候補となる。
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