1920年にロシアの物理学者レフ・テルミン博士が発明した楽器・テルミン。世界初の電子的に音をつくる楽器で、触らずに演奏するというそのスタイルも特異だ。
学研の「大人の科学マガジン」では、音量調整機能を省いたミニチュアサイズの「テルミンmini」を2007年に発売し、20万部超の大ヒットとなった。このたび、さらに安定性と拡張性がアップして復刻版が発売されることになった。
2022年9月1日発売の『大人の科学マガジン BESTSELECTION 06 テルミンmini』(学研プラス)では、お手軽にテルミンを体験できる。
通常のテルミンには、音程変化と音量変化の2つのアンテナがあるが、テルミンminiのアンテナは1本のみで、音程だけを変化させる仕組みになっている。
赤い筐体から上にのびたアンテナに手を近づけていくと、内蔵スピーカーから電子音が聞こえてくる。アンテナと手の距離で、音程を調整することができる。前作では針金製だったアンテナをアルミパイプに変更することで、演奏の性能が改善されたという。
アンプやエフェクターにつなぐこともできるので、演奏の幅が広がる。
組み立てはドライバー1本で約30分程度。電子回路は基板に組み込み済みなので、パーツをネジでとめるだけで良い。
付属のガイドブックでは、テルミンの歴史や楽器としての特性、原理の説明まで解説されている。一見不思議な楽器のテルミンだが、その仕組みがきちんと理解できる。
また、テルミニスト大西ようこさんが主宰する、「世界で唯一のテルミン博物館」の紹介や、テルミニストであり物理学教授でもある菊池誠さんによるテルミンの原理の説明記事も掲載。どれも読み応えがある。
「ザ・ぷー」の街角マチコさんと、「あらかじめ決められた恋人たちへ」のクリテツさんが講師を務める「あきらめないテルミン講座」も。チューニングの方法から始め、音を出してみて、簡単な曲を弾くというように段階的に解説されている。動画でも解説を見ることができる。
前回発売時に憧れていたけれど買わなかった、という方も、今回気になりだした方も、ぜひテルミンを楽しんでほしい。案外弾けるようになるという。テルミンminiなら、「ちょっとやってみたい」くらいの好奇心でも手を出せそうだ。
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