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ルネサンス画家業界は日本のマンガ業界に激似!? ヤマザキマリが描く意外な共通点

リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝(とんぼの本)

 2022年6月30日、新潮社より、『リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝』(ヤマザキマリ)が発売された。

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『リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝』(ヤマザキマリ)

 『リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝』は、『テルマエ・ロマエ』などで知られるマンガ家のヤマザキマリさんが、雑誌「芸術新潮」で5年以上にわたって連載したルネサンス漫画。 15世紀半ばのイタリアを舞台に、当時、まだ「職人(アルティジャーニ)」という立場で絵筆をふるっていた画家たちの青春時代から老境までを、美麗に活写する群像劇だ。

 主な登場人物はメディチ家の庇護のもと、《春》や《ヴィーナスの誕生》など華やかでセンセーショナルな神話画を描いたサンドロ・ボッティチェリ、万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチ、油彩をイタリアに広めたアントネッロ・ダ・メッシーナ、華麗な色彩で知られる「ヴェネツィア派」のジョヴァンニ・ベッリーニら4人。彼らのほかにも、同時代の有名芸術家たちが綺羅星のごとく登場する。

 ヤマザキマリさんは10代で欧州ひとり旅に出た後、イタリアに留学。フィレンツェのアカデミア美術学院で美術を学んだ。その体験を十二分に活かした美麗な作画に加え、随所にアッと驚く「美術トリビア」をちりばめたオールカラー漫画だ。とり・みき氏の全面協力による、こだわりの背景画にも注目。

 ヤマザキさんによると、ルネサンス期の画家の工房は師匠と弟子の分業制で、現代日本のマンガ業界におけるマンガ家とアシスタントの作業スタイルととてもよく似ており、そうした発見が、このマンガを描く動機にもなったという。

 さらに、美術史家・池上英洋さんとの特別対談も収録。当時の時代背景や、本書の見どころ、読みどころを語り合っている。ヤマザキマリさんのファンだけでなく、イタリア美術好き、歴史好きにもお勧めの1冊だ。

■ヤマザキマリさんプロフィール
1967年、東京都生まれ。漫画家、文筆家、東京造形大学客員教授。84年に渡伊、フィレンツェ・国立アカデミア美術学院で美術史、油絵を専攻。2015年、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。17年、イタリア共和国星勲章コメンダトーレ綬章。著書に『テルマエ・ロマエ』(2010年、第3回マンガ大賞・第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞)、『ヴィオラ母さん』など、とり・みきとの共著に『プリニウス』など。趣味は昆虫採集・飼育、南米文学と南米音楽、温泉巡り。
画像提供:新潮社
  • 書名 リ・アルティジャーニ ルネサンス画家職人伝(とんぼの本)
  • 監修・編集・著者名著:ヤマザキマリ
  • 出版社名新潮社
  • 出版年月日2022年6月30日
  • 定価2200円(税込)
  • 判型・ページ数128頁、 B5変型、ソフトカバー
  • ISBN9784106023019

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