「俺がゆうかを守ってあげるから」
夫はいつも優しくて、とても頼もしい人。結婚してからも変わらず、私なんかのために力を尽くしてくれる。
こんな尊敬できる相手と結婚できた時は、本当に嬉しかった......はずなのに。
夫に優しくされるたび、私の尊厳が壊されていくのはなぜ――?
KADOKAWAから発売された『ママはパパがこわいの? 夫の扶養からぬけだしたい~ゆうかの場合~』は、専業主婦のゆうかが、「優しくて頼れる」夫・てるおとの関係性に悩む姿を描いたコミックエッセイだ。
主人公・ゆうかは、妊娠を機に美容師を退職した専業主婦。かつては仕事に打ち込んで充実した日々を過ごしていたが、初めての育児に忙殺され、今ではオシャレや美容とは縁遠い生活を送っている。
とはいえ、子育ても3年目。娘の成長とともに、少しずつ余裕が出てきた。美容師の仕事に誇りを持っていたゆうかは、そのうち美容師に復帰するつもり......のはずだった。
ところが、3年間の専業主婦生活で、ゆうかは美容師としても、一人の人間としても自信を失っていた。自分を肯定できなくなり、新しいことにチャレンジする力を持てなくなってしまったのだ。
かつてあったはずの自尊心をゆうかから奪ったのは、「優しくて頼もしい」夫・てるおだ。
てるおは、暴力をふるったりはせず、仕事にも真面目に取り組んでいる。ゆうかが困っている時には助けてくれるし、「家族は俺が支える」という信念を持つ。外から見ると「優しくて頼もしい」いい夫に見える。
しかし、てるおはゆうかを一人の人間として扱わない。てるおにとってゆうかは、支え合うパートナーではなく、「守ってやる相手」でしか無いからだ。
強引な訪問販売や、便器の故障.....何かトラブルが起きて、自分がそれを解決すると、
「俺がいないと何もできない人間だね」
「こんな簡単なことも解決できないの?」
「俺がいないとダメだなぁ」
と、頭にポンと手を乗せたりしながらモラハラ発言を連発する。悪気があるのではない。「自分が養っている」ゆうかを自然に下に見ているだけだ。
そして、ゆうかが自分以外の男にチヤホヤされると、途端に機嫌を悪くして「ゆうかは愛想よくしてるだけで優しくしてもらえるからいいよね」と怒りだす。男で稼ぎ手である自分ばかりが負担を強いられていて、養われてのうのうと暮らしているだけの「女はズルい」と一方的にゆうかに不満をぶつけるのだ。
「自分がいないと何もできない妻」と「それを養ってやっている立派な自分」。そんな自分の世界観を守るため、ゆうかを事あるごとに貶め、自分の思い通りにいかないと不機嫌になる。そんな夫と暮らしていた数年間で、ゆうかの心は少しずつ蝕まれていった。夫に支配されて、自信を取り戻せない。自信がないから新しいことに挑戦出来ず、ますます夫に依存していく......。
だがある日、ゆうかはある人と話したことをきっかけに、この悪循環から抜け出しはじめる。その人は、ゆうかの義理の姉で、前作「夫の扶養からぬけだしたい」の主人公・ももこだった――。
果たして、ゆうかは自信を取り戻し、一人の人間として生きることができるのか。家庭のためにキャリアを諦めざるを得なかった女性の、復活と成長を描いた本作。実は、あなたや、あなたの身近な人の物語かもしれない。
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