2020年は雪舟が生まれてから600年になる。月刊誌「サライ」3月号の付録は、雪舟生誕600年を記念した「雪舟ブラックの万年筆」がついてくる。
万年筆は、握りやすい太軸。ペン先はステンレス製で、適度な弾力があり、やわらかい書き味が特長だ。「サライ」はこれまでにも北斎や若冲など、日本美術をイメージした万年筆の付録を出しており、今回の雪舟は第3弾となる。
デザインには、東京国立博物館が所蔵する国宝、雪舟の山水画「秋冬山水図」から「冬景」が使われている。切手の図柄にもなったことから、雪舟といえばコレ、と思う人も多いのでは。冬枯れの樹木のモチーフをボディと軸に巻き込むように配してある。インクがなくなったら市販のヨーロッパタイプ(欧州共通規格)のカートリッジに交換することができる。
誌面では、美術史家の山下裕二さんによる雪舟作品の魅力を解説するコーナーや絵画の見どころ紹介、国宝「天橋立図」に描かれた風景を現地におもむいてレポートしたページもある。雪舟の人生を共に旅をするような感覚で楽しめる構成となっている。
雪舟は現在の岡山県で生まれ、10代前半で地元の寺に入ることになった。その寺には絵ばかり描いていたため和尚に叱られ「涙でねずみを描いた」という伝説が残っているそうだ。その後、京に上り、絵を学びながら山口へ。そして中国へ渡り2年ほど滞在している。特集の中では、渡航前に描かれた拙宗「山水図」と渡航後の雪舟「四季山水図(春景)」(いずれも重要文化財)を見比べることもできる(p.38)。
雪舟ゆかりの地をめぐる時は、万年筆を持って旅日記をしたためてみては。
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