幸せな職場を創りたい、でも何からどう始めていいかわからない。そんな職場での悩みを抱える人におすすめしたいキーワードが4つある。
それは「感謝」「寛容」「楽しむ」「Yes, and」の4つ――。
「働きがいのある会社」ランキングで毎年トップ10に名前を連ねる株式会社ディスコの経理部長・小林嘉男さんは、著書『職場を幸せにするメガネ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』(まる出版)の中でこう語る。
「感謝」「寛容」「楽しむ」の重要性はほとんどの人が理解できるはず。そこで今回は、4つめのキーワードである「Yes, and」に注目したい。
小林さんは、かつて鬼上司だった時代がある。そのときに行っていたのは、部下のダメ出しだ。部下を一人前に育てたい、だからしっかり鍛えようと思っての「上司心」からだったが、信頼関係を構築できず、部下はどんどんやめていった。その結果、「否定し合う文化ではなく、認め合う文化の重要性」に気づくことになる。
だが、上司は具体的に何から始めればよいのか? 大切なのは、コミュニケーションの第一声を変えることだという。具体的には、第一声を「Yes(そうなんですね)」で始めるのだ。「部下がついてこない」「心を開いてくれない」と悩む上司は、それだけで部下とのコミュ二ケーションに変化がみられるようだ。
ここで陥りやすいのが、せっかく「Yes」で受けたにもかかわらず、自分の意見を主張したいがために「But(でもね)」を使い、結局否定してしまうこと。そこで身につけたいのが、「Yes(そうなんですね)」で受けて、「And(そして)」で展開する「Yes, and」の習慣だ。
【「Yes, but」の事例】
「Aがいいと思うのですね。でもね、私はBのほうがいいと思うのですが」
【「Yes, and」の事例】
「Aがいいと思うのですね。そして、私はBの考え方も面白いと思うのですが、いかがでしょうか」
習慣と書いたとおり、考えて使うのではなく、習慣として無意識に口に出るようになるまで徹底させたい。また、「そして」という表現は日常的には、しっくりこないこともあるので、「さらに」「加えて」「それと」など、肯定的につなげる語彙を増やしておくとよいだろう。
本書では、「上司は人格を変える必要はない。ただ、メガネをかけ替えるように、自分の今までの価値観をかけ替えればいい」と説く。
そして、もしも「○か×か?」「勝ちか負けか?」「黒か白か?」......そんな二元論的なメガネをかけているとしたら要注意だと言う。なぜなら、二元論的なメガネをかけていると、どうしても自分と違う意見を否定したくなってしまうからだ。
二元論的なメガネから、「共に持てるものを出し合って、目指すべきゴールに向かって進んでいく」というメガネにかけ替える。そして、誰の考えが正しいかを競う「競争」ではなく、共に創る「共創」の精神で臨む――そうすれば、幸せな職場へと確実に近づくだろう。
人格を変えるのは、今さら難しいかもしれない。だが、メガネをかけ替えるのは、誰にでもできるはずだ。
(新刊JP編集部)
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