最近、めっきり細かい字が読みづらくなった、夕方になると目が疲れる、パソコン作業が続くと目が乾く……という症状は、IT化が進み、膨大な情報に囲まれた現代人ならではの悩み。放置しておくと、さまざまな目の病気やトラブルの原因にもなりかねない。
『1日1分見るだけで目がよくなる28のすごい写真』(アスコム刊)の著者で眼科専門医の林田康隆氏は「私たちは人類史上、過去に類を見ないほどに目を酷使している」として、日常的に目のケアをする必要性を訴えている。
■「1億総疲れ目時代」にどんなケアをすべきか?
1972年にギニア大使として来日して以来、長い間タレントとしてお茶の間でも活躍しているオスマン・サンコンさんは、かつて視力が6.0(実際には網膜の解像度から2.0が最高であるが)あり、「ビルの10階の屋上から、1階に置かれたスポーツ新聞の文字が読めた」という逸話が残っている。
こうした「驚異的に視力のいいアフリカ人」の話は、サンコンさん以外にも耳にすることがある。そしてその理由として、10キロ先にいる家畜を数えたり、とにかく「遠くを見ること」を日常的にしているという点が挙げられることが多い。
確かに、目に良さそうな生活だが、狭い中に人も物もひしめき合っている日本でこれを実践するには、本物の風景ではなく「写真」の手を借りるほかなさそうだ。
「きれいな写真を使った目のトレーニング」は林田氏が考案した目のトレーニング。
写真を使って、近くと遠くを交互に眺めたり、迷路や数字探し、カラフルな色を眺めたりするなど、ゲーム感覚で楽しめるものも多い。
林田氏は、現代人の目の使い方についてこんなことを言っている。
「現代人は視覚情報が多種多様化して、情報として溢れかえっています。しかしながら、目の動きはというと、ピントは手元ばかり、視線は画面内のみ。大きく動かず単純化しており、さらに、凝視が続くのでまばたきが激減し、ドライアイを招きます」
林田氏のトレーニングは、こうした状態を改善するためのもの。目を開けたり閉めたりする『グーパーまばたき』という目の運動はドライアイ解消に、視線をあちこちに動かすトレーニングは、主に目の筋肉のストレッチになるという。
また、目の中のピントを合わせる筋肉や、相対的な色や位置の違いを見極めることで、視覚中枢である脳の機能を鍛えられるのも特徴だとしている。
普段、自分がいかに目を酷使し、目に悪いことをしているか、現代人の多くが自覚しているところだろう。
『1日1分見るだけで目がよくなる28のすごい写真』(アスコム刊)では、普段固まりがちな目の筋肉を活発に動かして鍛えるためのメソッドが多く紹介されている。
ドライアイや疲れ目などに悩まされている人は採り入れてみると、現状を改善するきっかけが得られるかもしれない。
(新刊JP編集部)
『1日1分見るだけで目がよくなる28のすごい写真』(アスコム刊)