もし、職場に突然外国人から電話がかかってきたら、あなたは英語できちんと応対ができますか?
20年前なら「そんなことがあるわけない」と笑い飛ばせたかもしれません。でも今は、「あながちありえなくもない」と思う人は増えているはずです。
普段から英語学習をしている人でも、とっさに話しかけられるとなかなかその場に応じた英語が出てこないもの。スピードと臨機応変さが求められるビジネスの現場ではなおさらです。
■商用電話で、出張で、プレゼンで、本当に使える英語を身につけるには……
証券や製薬など様々な分野の外資系企業・多国籍企業に勤めた経験のある英語のパーソナルトレーナー、河野木綿子さんによると、英語で書かれた専門的な学術論文を読みこなせる人でも、「英語で仕事をしましょう」となると「英語?ムリ!」となる人は多いのだそう。
同じ英語でも「一般的な英語力」と「仕事の英語力」は別物です。河野さんは著書『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』(すばる舎刊)で、後者の力を鍛える方法を教えています。
■「仕事の英語=ネイティブ英語」ではない
ビジネス英語というと、欧米人が話すネイティブ英語の上級編というイメージを持つ人は多いかもしれません。
でも、それは思い込み。実際には中学校で習った基本的な動詞に自分の仕事に出てくる専門用語をプラスすれば、普段の会話に困ることはあまりないそうです。
今や英語を使う人の8割はノンネイティブスピーカーです。「ビジネス英語はネイティブ英語でも上級英語でもない」ということは、頭に入れておくと気持ちが楽になります。
■自分の仕事を英語化しよう
上述のことを踏まえると、仕事で使える英語を身につけるためにまずやるべきは、今の自分の仕事を英語化することです。
「物の名前」「作業の仕方」「業務全般の流れ」「経費の精算」「予算関連の言い方」など、自分の業務にかかわることが英語で言えれば、少なくとも話すことについての不安はなくなります。
人によっては覚えることが多いかもしれませんが、それでも英語という広い海のごくごく一部。ぜひチャレンジしてみてください。
■話すことに特化したトレーニングを
読んで意味のわからない英語は、聞いてもわからない。もちろん話すこともできないという発想から、英語の勉強はどうしても「読み」が中心になりがちです。
もちろん、英語や英文を読むことは大切なことですが、いま仕事で必要なのが会話力であれば、「リーディング」や「ライティング」は一旦脇に置いて、「話すこと」に特化したトレーニングに的を絞るのが効率的です。
目指すのは「理想の英語」ではなく「仕事でいますぐ使える英語」。英語学習というと思い出すのは受験ですが、当時のやり方と今必要なやり方は別物だと心得ましょう。
ここでは、仕事で使える英語を習得するための心構えを中心に紹介しましたが、本書では習得のための実践的な方法や、使えるフレーズ、ビジネスの場で自然なフレーズも多数取り上げられています。
「今年こそは英語を身につけたい!」と思っている人も、いつか外資系企業に転職したい人も、海外勤務を希望している人も、一読して損はない一冊です。
(新刊JP編集部)
『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』(すばる舎刊)