『話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く』(アラン・ピーズ/著、主婦の友社/刊、2002年)という本が話題になって以来、「男女の脳は異なるもの」という考え方は身近なものになりました。
しかし、頭ではそういう考え方を受け入れたつもりでも、いざ職場で男性とコミュニケーションをとるなかで、「なんで、こんなにも話が通じないんだろう」「その反応、ありえない」等と、違和感をおぼえることはないでしょうか。
『思い通りの人生に変わる 女子のための仕事術―――会社では教えてくれない女性のためのビジネス作法とルール36』(竹之内幸子/著、ダイヤモンド社/刊)では、シチュエーション別に「男女の考え方の違い」を解説、その違いにもとづき、女性が職場の人間関係を円滑にするためのノウハウが紹介されています。
■「褒められてうれしいポイント」は男女でこんなにも違う
あなたが最近、「うれしい」と感じた褒められ方はどのようなものでしたか? 本書によれば、「どう褒められると、うれしいのか」は男女によって異なるそうです。
男性はとにかく「行動」を褒めてもらいたい生き物。たとえば、「○○って人気店知ってる? じつは昔からの俺の行きつけの店なんだ」と言う男性に対して、女性が「素敵~」と反応するのは、このような男性心理を活用する上で効果的だといいます。
なぜなら、男性脳は支配欲求や縄張り意識が強いため、「行きつけの店がある=その店に頻繁に通った」という行動を認めてもらえるとうれしく感じるからです。このポイントをビジネスシーンに応用するとどうなるでしょうか?
たとえば、あなたが会社の飲み会の幹事役を任されたとしましょう。お店選び、出欠確認、集金など何かと大変なのに加えて、参加者全員を満足させるのは至難の業。幹事というのは損な役回りです。
そこで、幹事としての負担を減らしつつ、まわりからの評価も高めるため、まわりの男性スタッフに「おススメのお店を教えて下さい」とお願いしてみましょう。男性は嫌がるどころか嬉々として手伝ってくれるはずです。
■男の子と女の子の遊び方に見る「何を求めるか」の違い
本書では他にも、「男女の考え方の違い」を示す象徴的なエピソードが紹介されています。それは「子ども時代の遊び方」。
男の子の定番の遊びといえば「ヒーローごっこ」です。一方、女の子は「おままごと」に夢中になるケースが多いでしょう。では、なぜ性別によって遊び方が違うのでしょうか。
これらの遊び方の決定的な違いは「勝ち負けがあるかどうか」です。つまり、男の子は「戦って勝ち負けをはっきりさせる」ことに面白味を感じているのに対し、女の子は「勝ち負けではなく、プロセスそのもの」を楽しんでいるといえます。
つまり、男性脳は、勝ち負けなどの「成果」を重視し、女性脳は、成果を得るための「プロセスにおける充実感」を重んじると言えます。このことをビジネスシーンに当てはめれば、男性上司に何かしらの報告をするとき、結論から話す、客観的なデータを示すといった点を意識するだけでも、コミュニケーションは格段になめらかなものになるでしょう。
著者の竹之内さんは社会人5年目の息子さんを持つワーキングマザー。本書では、ビジネスシーンだけでなく、男女脳の違いをうまく活用した家事の分担の仕方なども解説されています。すでにお子さんがいる人はもちろん、出産を控え、これからの働き方、生き方を見直したいと考えている女性にとっても参考になる一冊でしょう。
(新刊JP編集部)
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