英語を社内公用語にする企業が出始めているように、今や英語はビジネスパーソンにとって避けられないものになりつつあります。
しかし、とかく日本人は英語に苦手意識を持ちがちです。外国人と話す機会があっても「いや、英語は話せないから…」と尻込みしてしまう人も多いはず。この苦手意識、どうにかならないのでしょうか。
「日本人は英語を話せないわけではない。単に『正しい単語、正しい文法、正しい発音』で話さなければならないと思い込んでいるだけ」。そう語るのは『30日で英語が話せるマルチリンガルメソッド』(かんき出版/刊)の著者、新条正恵さん。新条さんは日本人のこうした思い込みを「英語トラウマ」と呼び、このトラウマから自分を解放するためのメソッドを紹介しています。
■「ペラペラ話せる」の基準を下げる
「英語をペラペラ話せる人」。そう聞いて「ネイティブと遜色ないキレイな発音でよどみなく英語を話せる人」をイメージしてしまったあなた、それこそが「英語トラウマ」にとらわれてしまう引き金です。このようなイメージを持ち続けるかぎり、あなたの英語学習は捗りません。
なぜなら、このようなイメージにとらわれているかぎり、どんなに一生懸命学習しても、自分の実力と目標との距離がいっこうに縮まらず、いつしか学習のモチベーションを維持できなくなってしまうからです。
そこで新条さんが提案するのは、英語学習を始める前に「ペラペラ話せる」の基準を下げること。そうすることで目標を達成しやすくなり「自分はこんなに話せるんだ!」と思えるようになります。結果、英語学習がどんどん楽しくなっていくというわけです。
「30日で『いつでも、どこでも、誰とでも、3つの話題であれば、15分話せる』ようになること」を「ペラペラ話せる」の基準にしましょう。具体的には、海外旅行へ行った時、タクシーの運転手を相手に最低限の会話ができる、初対面の仕事相手に自己紹介+αの話ができる、質疑応答なしの営業トークができる等のイメージです。
■興味のあることと抱き合わせで学習する
嫌々努力している人と、楽しみながら努力している人。どちらの上達スピードが高いかは明らかですよね。
ある時、「英語はマスターしたいけれど、毎日仕事が忙しくて勉強する時間をつくれない」と新条さんにアドバイスを求めてきたレッスン受講生との間で、こんなやりとりがあったそうです。
新条さん:「それだけ忙しいあなたでも、家に帰ってそのまま布団に入るわけではないですよね。寝る前の少しの時間にしていることは?」
受講生:「海外ドラマを見ることです」
そこで新条さんは、受講生がいちばん好きだという海外ドラマの第一話を、字幕を消して繰り返し見るようアドバイスし、その2週間後、受講生から「今日、電車で外国人と乗り合わせたら、話の内容が半分くらい分かりました!」と喜びの報告があったそう。英語は興味のあることと抱き合わせて勉強するのは上達の早道なのです。
■「なんとなく」という直感を大事にする
あなたは普段、日本語で話す時に、正しい「てにをは」の使い方ができていると自信を持って言えますか? ほとんどの人は「なんとなく」正しいと思って使っているのではないでしょうか。
それなのに、多くの人は英語を話すとなった途端「厳密な正しさ」を求め、自分で自分を縛ってしまいがち。しかし新条さんいわく、英語の前置詞、副詞、接続詞は、日本語の「てにをは」と同じようなものだそうです。
したがって、英語学習においては、「なんとなく正しい」会話ができければOK。さらに言えば、「なんとなく」という直感を大事にして、どんどん口に出すことが重要です。積極的にアウトプットすることで、学生時代に覚え、いまは記憶の奥底に眠っている英単語を思い出すことができるからです。
■とにかく習慣化
最後にもっとも重要なのが「続ける」こと。このメソッドも30日続けることで初めて効果を発揮します。そして、「続ける」ためのコツとして新条さんが推奨しているのは、歯磨き、食事、着替え、通勤…等の日常習慣と英語学習をセットにし、習慣化することです。
このメソッドがなぜ、そのような日常習慣とセットにすることが可能なのかといえば、どんなワークも、1回あたり15分ないし30分でできるよう作られているから。特に、このメソッドを始めて最初の一週間は、「毎日30分」ワークに取り組むことで、英語学習を確実に習慣化できるのです。
ここで紹介したのは、新条さんが提唱する「新条流マルチリンガルメソッド」における、勉強を始める前におさえておきたい「4つの原則」です。
この原則を押さえたうえで、『30日で英語が話せるマルチリンガルメソッド』で明かされるメソッドを実践していけば、効率よく英語力を高め、苦手意識もなくなっていくはずです。
(新刊JP編集部)
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