いよいよ2016年がはじまりました。
普段仕事で忙しい人も、お正月くらいは家でのんびり過ごしたいところ。
そして、お正月といえばまっさきにくるのは「おせち」と「お餅」です。特にお餅はどんなに正月らしいことが嫌いな家でも三が日に一度は食卓に出るはず。
ただ、知っての通り餅はやわらかくて喉に詰まりやすい食べ物です。東京消防庁によると、餅などを喉に詰まらせて救急搬送された人の数は過去5年間で571人、そのうち221人が1月だとし、注意を呼びかけています。
しかし、喉に詰まらせやすい食べ物は、何も餅ばかりではありません。食べ物を喉に詰まらせる事故は高齢者が圧倒的に多いということもあり、飲み食いの盛んなお正月はお餅以外のこんな食べ物にも注意が必要です。
■こんにゃくゼリー
一時期マスコミを騒がせたことを覚えている方も多いと思われる「こんにゃくゼリー」ですが、食品安全委員会によれば「一口あたり窒息事故頻度(仮に日本全国で、1億人の人がその食品を一口、口に入れるとして、その1億口あたりで窒息事故が起こる頻度)は0.14~0.28と、餅の6.8~7.6と比べるとかなり低め(*1)。
こんにゃくゼリーは喉に詰まらせやすいイメージがありますが、他の食品と比べても特別窒息事故が多いというわけではないようです。
■飴類
一粒が小さいため、窒息事故になりそうにない飴ですが、意外にもこんにゃくゼリーよりも喉に詰まらせやすく、一口あたり窒息事故頻度は1.0~2.7(*1)。
窒息事故はお年寄りに多いものですが、お菓子を食べることの多い子どもも気をつけた方がいいでしょう。
■パン
水分が少ないパンも、窒息事故が起こりやすい食品です。急いで食べたりすると、詰まるとまではいかなくても喉をなかなか通らなくて苦しかったりしますよね。一口あたり窒息事故頻度は0.11~0.25とこんにゃくゼリーと同じくらいになっています(*1)。
この他、米や肉、魚だって窒息事故が起こる可能性はゼロというわけではありませんが、注意すべきはやはり、群を抜いて事故が起こりやすい餅です。不測の事態を避けるためにも、餅を食べる時は「小さく分けて口に入れる」「口の中を十分に湿らせる」「話しながら食べない」といったことを心掛けましょう。
家族や親せきが食べ物を喉に詰まらせて病院に搬送されたということにでもなれば、楽しいお正月も台無し。くれぐれも油断しないようにしたいものですね。
(新刊JP編集部)
画像は『「これ」だけは知っておきたい高齢者ケアにおける命を守る知識と技術【超基礎編】』(高野真一郎/著、メディカルパブリッシャー/刊)。
(*1)食品安全委員会季刊誌「食品安全」Vol.24より
https://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/24gou/24gou_2.pdf
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