「相手の話を素直に聞く」ことは基本的にいいことだとされていますから、「人の話を真剣に聞きなさい」と親や先生に言われて育った人は多いはずです。
でも、考えてみてください。「真剣に話を聞いてよかった!」と思った経験がどれくらいありますか?それどころか、「きちんと聞いたけどピンとこなかったなあ…」「あの人の話は私には刺さらないんだよな」と思うことの方が多いのではないでしょうか?
そんななか、堂々と「人の話は聞かんでもええ」と言って、ちょっと変わった「幸福論」を説く人がいます。
■「人の話は聞かんでもええ」理由
愛知県内を中心に飲食店をチェーン展開する経営者であり、作家としても活躍している中村文也さんによると、「人の話を真剣に聞くこと」には、自分を相手の意見に合わせようとしてしまうというマイナスポイントがあるといいます。
これはたとえば、聞いてもピンとこなかったり、納得できない話でも「みんながいいと言っているからいいと思わなきゃ」となってしまうこと。真面目に話を聞こうとする人ほどこのパターンになりやすいかもしれません。
でも、人に迷惑をかけない限りは、あなたの考えや意見は自由です。人の話をきちんと聞く人が偉いわけでも、聞かない人がダメなわけでもありませんし、全ての意見を聞く必要もありません。ピンとこない話は「あなたにはそれは合わないからやめておけ!」というサインだと思って聞き流してしまえばいいんです。
自分に変なストレスをかけず、肩の力を抜いて幸せに生きるために本当に大事なのは「人の話を真剣に聞くこと」よりも、「自分の心に素直になること」だと心得えましょう。
■幸せをつかむのは「楽しく生きるダメ人間」?
「幸せとは?」という問いは、答えのなかなか出ない、難しい問いのように思えます。
もちろん、答えは人によって違うはずです。「仕事で成功することが幸せ」という人もいるでしょうし「家族が健康であれば幸せ」という人もいるでしょう。
しかし、そういった様々な答えを、あえて一つにまとめるなら「楽しく生きること」だと言えるのではないでしょうか?
中村さんの知人にこんな女性がいるといいます。
中日ドラゴンズの大ファンである彼女は、仕事はいつも定時に終えて即ナゴヤドームに応援に駆け付けます。ナゴヤドームで試合がある日は毎回行くというだけでも大したものですが、週末に遠征があれば日本中どこへでもついていくという熱の入れようでした。
そんな彼女に、中村さんは「給料いくらか知らんけど、そんなんしてたら、お金が続かへんやろ?」と尋ねたそうです。
すると彼女は「大丈夫よ~。だってあたし、ホテル代も食事代も新幹線代も試合のチケット代も、ぜーんぶ出してくれる男が、地方ごとにいるから」と答えたそう。つまり、日本各地に、「遠征費用」を出してくれる男性がいたということで、これは普通に考えたら「ダメな人」ですよね。後でバチが当たりそうです。
ただ、少なくとも本人は大いに楽しんでいたはずですし、相手の男性たちが納得しているのであれば、特に悪いことでもありません。結局のところ、自分なりの楽しみややりたいことを見つけて、そこに迷わず突き進むことが、幸せを感じるための近道ということなのでしょう。「人からどう見えるか」ということも、「自分のダメさ加減」も、幸福にはあまり関係ないのかもしれません。
ちなみに、前述の女性は、今は一流企業に勤める夫と子どもに囲まれて幸せそのものなのだそうです。
中村さんの著書『心によい神様がいれば幸せになれる』(パブラボ/刊)には、この他にも、中村さんが独自の視点から導き出した、幸福を感じながら生きるための考え方がつづられています。
誰もが望みながらなかなか感じることのできない「幸福」を手にするために、まず見直すべきは「幸福についての考え方」なのかもしれませんね。
(新刊JP編集部)
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