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「成長したければ社畜になれ」と語る有名企業経営者

  「社畜」という言葉にプラスのイメージを持つ人はいないだろう。少なくとも自分はなりたくないはずだが、以下の条件に一つでも当てはまるなら要注意。あなたには社畜の「素養」があるかもしれない。
・会社の悪評や批判に接したときは、我がことのように腹が立つ・仕事とプライベートのオンオフを明確に使い分けられない・寝る前にふと考えることは、仕事のことが多い・休日でも、仕事関連の本や雑誌をよく読む・結婚式に呼ぶ知人は半分以上が会社関連の人だった(になるだろう)
 これは『社畜のススメ』(藤本篤志/著、新潮社/刊)のなかにある「社畜度テスト」の一部だが、社畜の「危険性」ではなく「素養」としたのには意味がある。 著者の藤本氏は「誰かに雇用されるという人生を選択した時点で、自分の意思が通る部分は少ないと自覚すべき」としたうえで、「すべての若手ビジネスパーソンにとって、成長を目指すなら、社畜になることは避けられない」と「社畜」をある意味で肯定しているのだ。
■「社畜にもなれない若者」に待っている暗い未来とは 働く人なら誰でも一度は聞いたことがあるだろう、「個性を大切に」「自分らしく生きよう」「自分で考えよう」「会社の歯車になってはいけない」といった言葉。だが藤本氏はこれらを「四大タブー」として全否定している。なぜなら、これらの言葉に忠実であろうとするほど、日本社会では「浮いた」存在になってしまうからだそうだ。 だからこそ、「個性を捨て、自分らしさにこだわらず、自分の脳を過信せず、歯車になることを厭わない存在となること」が、ビジネスパーソンとして正しい姿だと藤本氏は主張する。 ここまでいわれると一理ありそうな気もしてくるが、それでもなお「社畜」という言葉への心理的な抵抗をぬぐえない人は少なくないだろう。「社畜になれない若者」はどのような末路をたどることになるのか。 藤本氏は「モンスターサラリーマン」という言葉で、その悲惨な末路を表現している。いわくモンスターサラリーマンとは、知識も経験もない若者が、与えられた仕事に納得がいかず手を抜くか、ツイッターで不平不満をぶちまけるか、辞めるかのいずれかの行動に出ることを指す。 キャリア初期に組織の歯車になれなかった若者は、いつの間にか、どの部署にも合わない変形した歯車になってしまう。そうなってしまったが最後、その若者は少しずつ組織の隅のほうへ追いやられてしまうのだ。
 もちろん、藤本氏は盲目的に社畜になれといっているわけではない。本書の巻末には「ダメな社畜にならないために気をつけるべきこと」として、18項目をあげている。頭ごなしに「社畜」という言葉を毛嫌いする前に本書を手に取ることで、意外な発見があるかもしれない。(新刊JP編集部)

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