多くのビジネスパーソンにとって起業とは、いつかは挑戦したい野望であり、自分の培ったアイデアや仕事力を試す大勝負の舞台だろう。
いずれくるその時のために密かに構想を練っている人、適切な起業のタイミングを見極めようとしている人、資金をとにかく貯めようとしている人、どんな段階であれ、起業の成功を目標に掲げていることには違いない。
ただ、当然ながら全ての起業が成功するわけではなく、やはり生き残る方が少数だという現実がある。その少数に食い込むためにも、どんな起業が成功し、どんな起業が失敗するのかを頭に入れておくことは大きな意味があるだろう。
『起業1年目の教科書』(かんき出版/刊)の著者で、起業家支援の分野で実績のある経営コンサルタント・今井孝氏は、起業がうまくいかないケースの共通点として、「起業とはハードルの高い大きなチャレンジだ」という起業家の思い込みを挙げている。
この思いこみによって、自分の能力を超えた無謀なチャレンジをしてしまったり、反対に恐れから行動できなくなってしまうということが起こるのだそうだ。
しかし、実際にスタートアップを成功させているのは、特別な天才でもなく、異常なまでの体力を持つわけでもない「普通の人」。起業は特殊な才能が必要なわけではない。
それどころか、今井氏は「斬新なアイデア」も「リスクを取ること」も「ビジネスモデル」すらも、起業の段階では必要がないとまで言い、その代わりとして「起業における大目標と、日々こつこつ行う小さな一歩を結びつける思考」の不可欠さを説いている。
「ノウハウ」ではなく「思考」であるため、起業の準備にも、商品やサービスの企画にも、マーケティングにも、起業に関するすべてに関係してくるが、一体どのように関係してくるのか。本書では、起業の準備段階からビジネスを軌道に乗せるまでの各段階において、この思考をいかに体現していくかを解説している。
たとえば「商品開発」や「価格設定」、「チームづくり」。
これらについても、最適解は必ずある。それにどうやって近づいて探り当てるのか。起業を考えている人であれば、本書から学ぶところは多いだろう。
(新刊JP編集部)
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