「集中力がない」「集中しても長続きしない」など、なかなか目の前のことに集中できず悩んでいる人は多いのではないかと思います。
では、「なぜ集中できないのか?」について考えたことはありますか?そこにはさまざまな理由があり、それぞれ対処法が違います。
医学博士・西多昌規さんの著書『精神科医が教える集中力のレッスン』(大和書房/刊)は、私たちがなかなか物事に集中できない理由とその対処法、集中力を高める生活習慣などを、科学的見地から教えてくれます。
それによると、集中力が阻害される要因にはこんなものが挙げられるそうです。
■気づいたら1時間経過…スマホ、パソコンから集中力を守れ!
仕事の合間に「ちょっと見るだけ」のつもりだったのに、気づいたら1時間近くSNSを見ていた、という経験はありませんか?デスクワークの場合はパソコンが常に目の前にあるわけですし、スマートフォンがポケットに入っていればいつでも見ることができます。現代人の集中を乱すものとして、「パソコン」「スマホ」「インターネット」は代表格です。
常にこれらが気になっている状態では、仕事への集中度は当然下がってしまいますから、そこは自分なりのルールを作って、インターネットやスマホから距離を置くしかありません。「30分作業したら1分間だけスマホをチェックする」「メールは何時と何時にまとめて返信する」など、自分のスタイルに合わせてルールを作り、それを守るよう心がけてみましょう。
■年をとっても集中力を保つ秘訣とは?
年をとるのは仕方のないことですが、「加齢」もやはり、集中力の低下を招くようです。
ただ、諦める前に、できることもあります。
「集中力の低下」は言い換えれば、自分の周りのさまざまな物事のなかから「集中すべきこと」を仕分けする能力の低下です。
年をとるとなまじ経験が増えてきますから、さして重要でないことが気になってしまうことが多くなります。そうなるとどうしても本当に大事なことへの集中力が散漫になりますから、日頃から「本当に大事なこと」「集中すべきこと」の仕分けをする癖をつけておくと、老後「集中力の低下」にさほど悩まずに済むかもしれません。
■集中力をアップさせる「光のメリハリ」
「体内時計」という言葉があるように、私たちの体には元々備わったリズムがあり、そのリズムが狂ってしまうと、睡眠に悪影響が出て、結果的に集中力の低下を招きます。ただ、このリズムの乱れは、光の浴び方を工夫することである程度抑えることができるようです。
心がけることは「日中は明るく、夜は暗く」。
朝は部屋の明かるさを最大限にして、通勤はできるだけ日なたを歩く。電車は窓際に座る。そして、夜は光を浴びないようにして、部屋の明かりは落とす。パソコンやスマホを使う時は背景色を黒にしてみるなど、少しでも生活で受ける光を自然界の環境に近づけることで、体のリズムがキープされ、睡眠の質が上がり、集中力アップにつながります。
集中したい時にすばやく集中できれば、仕事に限らず様々な作業が効率化されて、趣味や家族との団らんなど、これまでしたくてもできなかったことができるようになります。
本書には、体や脳の働きを理解して、効率的に集中する方法が医師の視点から解説されていますので、毎日忙しく過ごしている人、ぼーっとしがちな人は、試してみると新たな発見があるのではないでしょうか。
(新刊JP編集部)
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