著書『クビでも年収1億円』(角川フォレスタ/刊)がベストセラーとなり、最新刊『3年で7億稼いだ僕がメールを返信しない理由』(幻冬舎/刊)も話題を呼んでいる小玉歩さんが、ゲストと「働き方」をテーマにトークを繰り広げる対談特集。第二回のゲストは山崎拓己さんです。
起業するにあたって大学を辞めた山崎さんですが、その時“初めて社会に反した”という喜びがあったそう。社会のレールに乗る安心感と、外れることの快感をともども経験してきた山崎さんの仕事論に小玉さんが迫ります。
今回はその後編です。
■心を劣化させないために必要なこと
小玉「少し話が変わりますけれど、日本人は、お金を稼ぐことについて、何か悪いイメージを持っているように思います。“あいつは悪いことをやって稼いでいるんじゃないか”とか“金を持っても幸せにはなれない”というような。
ドラマなどに出てくるお金持ちのイメージが強いのかもしれませんが。
山崎「お金というものをどう定義しているか、ということでしょうね。“お金=汚いもの”と定義している人は、悪いことをしないとお金持ちにはなれないと思っているので、お金を稼ぐことはできません。
僕は、お金というのは自分が何かの価値を作り上げて、それを誰かに差し上げて、喜ばせた時にいただくものだと思っています。だからお金が欲しくないという人は、誰かの役に立ちたくないというのと同じなんですよ。
お金を稼ぎたいと思っているなら、一度“お金とは何か”を考えて、定義づけてみることが必要です。
これは“幸せ”についても同じですよね。幸せになりたいなら、まずは“幸せとは何か”を定義しないといけません」
小玉「では、仕事についてはどのように位置づけていますか?」
山崎「誰かとの関わりのなかで、新しい感情を持たせてくれるもの、自分はこんなことができるんだ、と驚かせてくれるもの。それが仕事かな」
小玉「山崎さんは絵を描かれていて、ニューヨークで個展を開いたりもされていますけど、やはりそういう部分があったわけですか?“あれ?俺すごくうまく描けるぞ”みたいな」
山崎「絵はね、ずっと描いていたんですけど、人には見せていなかった。たまたまある女性に見せたら“あなたは絵をもっとおやりになったらどうなの?”と言われて、妙に心に響いたんです。
“でも、僕の絵でできますか?”と聞いた時の彼女の答えが僕の人生観を変えました。
“絵の個展をやると決めたら、絵は変わりますよ”と、そう言われたんです。
見たことのない絵が僕の中にあって、僕の気持ち一つでそれが出てくる。僕が描きたいと思わなかったら出てこないまま一生が終わる。それだったら見てみたいと思えた」
小玉「バランスを崩すと思いがけない次の一歩が出るというのが、僕にとって今日一番の学びでした。どこかで言いふらします(笑)。最後に、この対談の読者の方にメッセージをいただけますか?」
山崎「今の学生の子たちって、定年まで一つの会社に勤めるのではなくて、7回くらいは仕事を変えながらキャリアアップしていくことになると思います。終身雇用はいずれ完全になくなると思いますけど、結果を残すとヘッドハンティングされて、収入のいい仕事に就けるようになる。もちろん、途中で辞めてフリーランスになる人もいるでしょう。
そういう中で生きていくためには、なるべく目と耳を閉ざさないこと。社会がどうなっているのかを見続ける目と耳を持つことが大事になります。
それと、自分の内なる声を聞くこと。
今楽しんでいるか、今どんな気持ちかという、自分の内側からの声を無視しないようにしてほしいですね。それは、自分が気持ちいいことだけやりましょうということではないし、嫌なことをしなければならないこともあるはずです。そんな時に、“嫌なことをさせてごめんね”と自分に言えることが、心を劣化させないためにも必要だと思います」
(新刊JP編集部)
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