30代は社会人としてのキャリアの分岐点だといわれます。
今いる会社で上を狙うという選択肢もあれば、独立や転職などで今の会社を離れることを視野に入れる人もいるでしょう。
しかし、忘れてはいけないのはどんな選択肢を取るにしても、今の評価が大きく影響すること。今の会社で評価されていない人が転職・独立して評価されることは難しいでしょうし、もちろん今の会社で出世を目指すこともかないません。
『30代の働き方には挑戦だけが問われる』(小杉俊哉/刊、すばる舎/刊)には、大小含めさまざまな企業で人事に携わってきた著者ならではの、組織で評価される30代の働き方が取り上げられています。
その中に「中途採用の面接で不採用になる人の特徴」が紹介されている箇所があり、企業が30代の面接者のどこを見ているか、どこを評価するかを知ることができます。
■学習する習慣がない
転職はこれまでの自分が積み上げてきた経験なりスキルを礎に次のステップに進もうということですから、面接の場では過去のキャリアをアピールすることは当然必要となります。
しかし、たとえ同業他社に転職するとしても、別の会社に移る以上は一から勉強しなければいけないことは多々あるため、あまりに過去の実績にこだわりすぎるのはNG。
たとえば「○○業界以外のことはよくわからない」「営業しかやってこなかったのでそれ以外のことはわからない」といった発言をすると、過去に身につけたスキルやリテラシーに固執し、自分のいる安心領域から出るつもりがない人という印象を面接官に持たれ、新しく学習する気がない人だとみなされてしまいます。
■受け身で業務をこなす
与えられた仕事をこなすということだけを繰り返し、自ら率先して工夫した様子がない。または経験から学んでいないというのも、転職面接で不採用を出される人の特徴です。
小杉さんは、こういった人の多くが、業務の直接的なスキル、知識、個別の社内事情だけを学び、それらを他の職場でも応用できる一般スキルとして抽象化できていないことを指摘しています。
■組織に同化、同質化している
所属する組織への受容や参加は必要ですが、それと同時に自分が属する組織を客観的に見る目もやはり重要です。
面接で「前の会社では~」を連呼すると、転職前の会社の価値観に染まりすぎて、外部から客観視する視点に欠ける人だと思われてしまうかもしれません。
40代以降に仕事で大きな花を咲かせられるか否かは30代の働き方にかかっているといっても過言ではありません。組織はどんな30代を求めていて、どんな30代を評価するのか。本書を読んで、今後のキャリアと働き方について考えてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
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