特に相手は悪いことをしていないのに、なぜかキツくあたっていた。一緒の空間にいるとイライラする人がいる――。
人間だからどうしても人の得意不得意はあるだろうし、苦手な人と交流しなければいけないときもある。特に組織であれば、好き嫌い関係なく同じ職場で仕事をしなければいけないこともあるだろう。
苦手な人と常に同じ場にいることは、ストレスになり、仕事に集中できないと感じることもあるかもしれない。
私たちはどうしてこんな風に反応してしまうのか。
心理カウンセラーの上村光典さんは『あなたを悩ませる「つらい!」人間関係から自由になる本』(ソフトバンク クリエイティブ/刊)の中で、“条件付けられた自己防衛のシステム”によるものだと指摘する。
動物が不審者を見ると、吼えたり噛みついてきたりするのと同じで、私たちは無意識にそれぞれの方法で自分を守っているのだ。さらに、これは条件づけ(プログラム)されていて、無意識に反応しており、それを抑えることは難しいという。
では、その状態を変えるためにはどうすればいいのだろうか?
まず大切なのが、「自分はあの人を苦手としている」と気付くことだ。つまり、自分が負の感情を抱いているということを認める必要がある。
どれだけ毎日ポジティブに過ごしていると思っても、本能のところでネガティブな感情が反応している。そしてその反応を消すことはほぼ不可能だろう。
では、「あの人で嫌な気持ちになった」「あの人のああいうところが嫌い」「あいつの方が変わるべきだ」という他責型思考に陥ってもよいかというとそうではない。この思考には、「相手が変わらない限り、自分に心の平穏や幸せが来ない」という危険性が孕んでいる。
相手を変えることは至難の業だ。だから、いかに自分側をコントロールするかが大事になる。
例えば、指示がめちゃくちゃでいつも自分に迷惑をかけてくる上司がいたとしよう。
「なんなんだ、あの上司は!」と陰で悪態を突くことはできるが、それだけでは何の解決にもならない。上司はずっとその調子だろうし、自分か相手が異動にならない限りはその状態は続いていくだろう。
だから、自分のストレスを消し去る方法やネガティブな感情を手放す、つまり自分が変わる方法を学ぶ必要がある。
本書では「気づき」「自己責任」「リラックス」「リリース」「リセット」という5つの要素を通して、条件付きされたシステムを変える方法を教えていく。
人間関係が「うつ」の原因の大きな要因の一つであることはよく知られていることだが、これからも普段の生活の中で、いかに人間関係に起因するストレスを減らすかが重要だといえる。
誰かにいらいらしてしまう、みんな気に食わない、なぜだかストレスがたまる…そんな毎日を過ごしている人は、一呼吸して自分の心の中に気付くことからはじめてみてはいかがだろうか。
(新刊JP編集部)
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