「〝投資〟に踏み出せない人のための『不労所得』入門」　加谷珪一著

政府が禁止から容認へと方針転換し、「副業解禁」と盛り上がる昨今。話題には事欠かない副業だが、いざ始めようと思っても、何から手をつければよいのかとためらう人も多いのではないだろうか。本書は、アフェリエイト、せどり、ジェアや会員ビジネスといったネット時代以降に隆盛した手法から、株式、不動産といった従来の投資まで、初心者向けに解説した1冊だ。

起業を勧めたり、高値のもうけをうたったりと、怪しいネタも多いこの手のテーマのなかで、「会社で働きながら、堅実に月3万～5万円ほど副収入を稼ぐ」ことを目指した、不労所得を得るための知識や考え方を伝えている。「夢の不労所得」という甘い響きのイメージとは少し違うが、そのぶん現実的に参考になる知見が込められている。人生100年時代といわれ、年金問題も騒がれるいま、もし将来的な生活に不安を抱えているのであれば、一読をおすすめする。