「野球バカは死なず」江本孟紀著

ダンディーなたたずまいと歯にきぬ着せぬ毒舌で人気を博してきたエモやん。その70年の人生はまさに波瀾（はらん）万丈だ。

猛烈なシゴキやケツバットの嵐に耐えてつかんだ甲子園出場が部員の不祥事であえなく消えた高校時代。監督との軋轢（あつれき）に悩んで寮を脱走した不遇の大学時代...。ドラフト外でプロ入り後、エモやんを待ち受けていたのは、規格外のドデカいプロ野球選手たちだった。張本勲、野村克也、王貞治、長嶋茂雄、小林繁...マル秘エピソードも、実名で明かされる。吉本の芸人たちがわざわざ球場に勉強しにくるほどのヤジの達人たち、女遊びの名人など、爆笑エピソードも満載。

そして突然のがん宣告。がんが教えてくれたこととは？　どんな世界にも共通する教訓がちりばめられ、人生の意味を考えさせられる。まさに直球勝負で人生を駆け抜けた男の、爽快な一代記だ。