86歳を迎えた著者は本書で「人は適当な時に死ぬ義務がある。ごく自然にこの世を辞退するのだ。それで初めて私たちは人間らしい尊厳を保った、いい生涯を送ったことになる」と書く。そんな覚悟をもって今の日本を見ると、少し心許なく感じるのではないか。
北朝鮮のミサイルが日本上空を通過して、警報が鳴り響く中、今の日本人はあまりにも非常時とは何かを知らないと、改めて感じているようだ。大戦中、空襲警報の鳴り響く夜を体験してきた著者は、いざとなればどうするかわかっているという。まず、食料、水、新聞紙を確保する。食料は梅干しを巻いたおにぎり、新聞紙は読むためではない。野宿するならマット代わりになる。寒けりゃ服の下に入れて身体を包んで暖をとることができる。さらにたき火の点火剤にもなる。非常時の知恵が自然に備わっている。そんな著者が折に触れて感じたわれわれも学ぶべき「老人学」がまとめられている。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
記事一覧 公式サイト当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?