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「ヤクザのカリスマ」鈴木智彦著

  昨夏、100周年の節目の年に、日本最大規模の暴力団・山口組が分裂した。六代目山口組と神戸山口組との対立はついに抗争状態にあると認定され、報道は連日過熱、少なくない国民がその動向を興味深く見守っている。その様を見て著者は、「日本人はヤクザが好き」だと断言する。
 ぐれん隊の元祖と呼ばれ、戦後闇市に君臨した万年東一(とういち)。伝説の安藤組を率い、引退後は俳優に転身し銀幕スターとなった安藤昇。『仁義なき戦い』のモデル呉・広島抗争では大西政寛、山上光治ら「恐怖の殺人鬼」に焦点を当て、山口組トップを狙った鳴海清の無謀な戦いに「ヤクザの本懐」を見る。
 本書に登場するヤクザには、強烈なカリスマがたしかにある。混沌を生きたアウトローたちの暴力伝説。まさに時代に咲いた悪の華であり、ヤクザのみならず、カタギをもひきつけるものがある。 

書名:ヤクザのカリスマ著者:鈴木智彦発行:ミリオン出版定価:1000円+税

夕刊フジ

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