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「いい子に育てると犯罪者になります」岡本茂樹著

夕刊フジの書評から
2016/4/18
 　刑務所で受刑者の更生支援をしていた著者によると、犯罪者には意外に「元いい子」が多いそうだ。自分の感情を表に出さず、親の期待する役割を演じ続けることに耐えられらなくなったとき、「いい子」の否定的感情は「犯罪」という形で爆発するからだ。
　本書では覚醒剤を使った酒井法子さんのケースが分析されている。過酷な幼少期を送った酒井さんは、覚醒剤を使った理由を「自分が弱かったから」と言っているが、本当は「覚醒剤を使ったのにはそれなりの理由があった」という事実を認識することが出発点だという。「つらい過去」に蓋をしてはいけないのだ。
　「『ウソをつくな』といわれ続けた子どもはウソつきになる」「『人に頼らない』という発想が再犯を生む」など、ハッとする指摘がたくさんあった。子供に「いい子にしなさい」と言っている親ならギョッとしそうなタイトルだが、内容はきわめて真っ当だ。

書名：いい子に育てると犯罪者になります
著者：岡本茂樹
発行：新潮新書
定価：760円＋税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代～60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」（http://www.zakzak.co.jp/）で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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