本を知る。本で知る。

『地球を「売り物」にする人たち』マッケンジー・ファンク著、柴田裕之訳

  「地球温暖化は悪いことだ」―現代を生きる私たちは、例外なくそう教え聞かされてきたことだろう。しかし本書の著者ファンク氏は、こう指摘する。「気候変動ほど大規模で普遍的な出来事が、悪いことばかりであるはずがなかった。生態面での大惨事は、誰にとっても金銭面での大惨事は、誰にとっても金銭面での大惨事であるとはかぎらないのだ」。そう、気候変動を「糧」にして利益をあげる人、企業、国家が増えているというのだ。
 本書は、知られざる「温暖化ビジネス」の実態を、世界24カ国を渡り歩いて明らかにしたものである。北極海の氷の下の資源争奪戦に明け暮れる石油メジャー、農地を買いあさるウォール街のハゲタカ、治水テクノロジーを「沈む島国」に売り込むオランダ、天候支配で一攫千金をもくろむ科学者たち…。圧倒的な迫力で突きつけられる本当の意味で「不都合な真実」に戦慄する1冊。

書名:地球を「売り物」にする人たち
著者:マッケンジー・ファンク著、柴田裕之訳
発行:ダイヤモンド社
定価:2000円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

記事一覧 公式サイト

夕刊フジの書評からの一覧

一覧をみる

書籍アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

漫画アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?