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「地平線の彼方から」野町和嘉著

  巻頭、星降る夜の砂漠のカラー写真に目がくぎ付けになった。だが、風景ばかりではない。そこに生きている砂漠の民が生き生きとした表情で迫ってくる。
 43年前、初めてサハラ砂漠を訪れた25歳の著者は、大地のスケールの大きさと、そこで淡々と営まれる人々の暮らしに魅せられたという。以来、アフリカ各地、インド、チベット、アンデスの高地…と、日本とは対極にある荒々しい自然と、そこに生き抜く人々を追いかけてきた。本書は、著者の40年にわたる活動を96点の写真と28編のエッセーで、再現した貴重な記録である。
 著者自身、1970年代の旅を振り返り「何と平和な時代に世界をめぐってきたことか」と、述懐している。その後、今世紀に入り、各地は内戦やテロの横行する世界に様変わりしている。そういう意味でも、本書は味わい深い鮮烈な写真と文章に手放しで酔える好著といえよう。

書名:地平線の彼方から
著者:野町和嘉
発行:クレヴィス
定価:1500円+税

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