本を知る。本で知る。

「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」 藤田孝典著

  『下流老人』とは、いささか過激なタイトルである。著者は、埼玉で生活困窮者を支援するNPOを運営するソーシャルワーカーだ。年間300人の相談を受けている。
 下流老人は著者の造語で、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」を指す。この下流老人が近年、大量に生まれ、近く日本社会に大きなインパクトを与えると警鐘を鳴らす。なかでもショックなのは、一般的な所得である年収約400万円の人も老後は下流化する恐れが相当あるという点だ。
 本書では、いったって普通の人が、下流化する代表的なパターンをいくつも挙げている。「病気や事故による高額な医療費」「子供がワーキングプアや引きこもりで親に寄りかかる」「認知症でも頼れる家族がいない」などだ。ほとんどの人にとってひとごとではなく暗い気持ちになるが、対策も載っているので自分の老後を考えるきっかけになるだろう。

書名:下流老人 一億総老後崩壊の衝撃
著者:藤田 孝典
発行:朝日新書
定価:760円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

記事一覧 公式サイト

夕刊フジの書評からの一覧

一覧をみる

書籍アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

漫画アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?