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「家族スクランブル」 田丸 雅智著

  あの星新一の孫弟子と呼ばれる著者は、デビュー以来、又吉直樹氏らが絶賛。いま注目度No.1の新世代ショートショート作家の旗手である。
 「家族」をテーマにした18編の物語は、非日常と懐かしさがないまぜになった摩訶(まか)不思議な異世界に読者をぐいぐい誘い込む。
 分身が作れるせっけんで3人の妻と同棲(どうせい)することになった夫の悲哀を描く「白妻、黒妻」、傷口の絆創膏から育った実を食べる息子の闇を照らす「吸血木」、娘の結婚式で奇妙な趣味を持つ父親が披露するサプライズが泣ける「鳩の箱」など、人情もの、ユーモアからファンタジー、ホラーまで、読後感はどれも目まいがしそうなほどキョーレツである。
 1話5分ほどで読めるが、読み始めたらやめられない筆運びは圧巻。“ショートショートの神様”星新一に夢中になった、あの頃の「熱読体験」がよみがえる。

書名:家族スクランブル
著者:田丸 雅智
発行:小学館
定価:1300円+税

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産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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