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「超訳 日本国憲法」 池上彰著

  S・シェルダンの小説やニーチェの言葉など、意訳の1つとして、かつて「超訳」がブームになったが、池上彰氏の「超訳」はその手法ではない。NHK出身の池上氏らしく、憲法の古めかしい言い回しやむずかしい用語を、今の言葉にかえ、条文ごとにエッセンスをわかりやすく伝えている。例えば、天皇は「日本国民みんなが認めているから、天皇の地位がある」(第一条)、労働では「誰もが奴隷のような拘束を受けてはいけない」(第十八条)、結婚は「男女二人の合意で成立する。他人が口を出すことはできない」(第二十四条)など明解だ。
 憲法は権力者が守るべきルールであり、国民は国家権力をチェックできる。一方、国民が守るべきことは法律で規定されるなど、基礎知識もよくわかる。集団的自衛権との関係や北朝鮮、中国など外国の憲法についての解説もおもしろい。知っていると錯覚していた日本国憲法が、一読すると、途端に身近になってくる。

書名:超訳 日本国憲法
著者: 池上彰
発行: 新潮新書
定価:780円+税

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