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「大人のひきこもり」 池上 正樹著

  「ひきこもり」と聞いて、登校拒否の延長と思ってはならない。実は40歳以上のサラリーマンがぱったりと会社に行けなくなり、退職を余儀なくされて「ひきこもり」となるケースが少なくない。10年以上もひきこもり、当事者が40歳を超える事例も多いという。
 いずれも高齢の親に負担がかかり、年齢的に正社員で受け入れる企業は少ない。若い世代よりもずっと厳しい状況に追い込まれるが、助ける手だてはなく、行政も実態をつかんでいない。
 長年、大人のひきこもりを問題視し、数多くの当事者に会って取材を続けてきた著者は、個別の事例を紹介しながら、なぜ大人のひきこもりが増えているのかを考察する。
 60代以上の高齢者も相当数含まれているという大人のひきこもりに著者自らが解決策を模索する。この実態を広く知ってほしい。

書名:大人のひきこもり
著者:池上 正樹
発行:講談社現代新書
定価:800円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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